お知らせ

2026年7月7日火曜日

第2回|人権と尊厳 ―「あたりまえ」を護るということ

 法人内研修の学びをご紹介する連載、第2回は「人権と尊厳」についてです。

研修の冒頭で、菊地先生はこんなお話をされました。自分の思ったことを自由に話す、好きな服を着る、好きな音楽を聴く、病気になったら医療を受ける――私たちが「あたりまえ」と感じているこうしたことは、すべて「人権」なのだ、と。世界に目を向ければ、それが当たり前ではない国や時代もたくさんあります。人権がきちんとある国・時代に生まれ、いま福祉の最前線に立っている私たちには、その当たり前を護る役割があるのだと教えていただきました。

そして先生は、現場で起こりがちな「実質的な人権侵害」について、具体的なお話をしてくださいました。とても考えさせられたので、二つご紹介します。

ひとつは、あるご利用者が「このお金は息子には知らせないでほしい」とおっしゃったときの話です。認知症もなく、しっかりとご自身で判断できる方が、「銀行は好かんから現金で持ってきた。事務所で預かってもらえないか。ただし、これは息子には内緒にしておいてほしい」と頼んでこられた。このとき、「ご家族に知らせないわけにはいきません」とお断りしてしまう職員は、実は少なくないそうです。けれど先生は問いかけます――その断る理由は、どこにあるのでしょうか、と。身元引受人であるお子さんは、法律上の保護者でも成年後見人でもありません。ご本人が「内緒にしてほしい」と望まれるなら、その願いを尊重するのが本来の姿のはずです。私たちは、つい「ご家族に」と考えてしまいがちですが、主役はあくまでご本人なのだと、はっとさせられました。

もうひとつは、もっと胸に迫るお話でした。ご高齢のご夫婦で、ご主人が施設に入所し、奥さまはご自宅で暮らしておられた。ところが、ご主人の入所中に、奥さまが亡くなってしまった。お子さんたちが来られて、「父はこの状態では葬式に出られないし、母が亡くなったと知ればショックを受ける。葬儀が終わって落ち着いてから自分たちで伝えるので、それまでは内緒にしておいてほしい」と相談された――。さて、私たちならどうするでしょうか。先生は、ここで静かに、けれどはっきりとおっしゃいました。長年連れ添った最愛の方が亡くなったことを、ご本人に知らせない権利が、はたしてご家族にあるのだろうか、と。きちんとお伝えし、できれば葬儀にも参列できるよう支える。ショックを受けられたら、そのときにそばで支えるのが、ご家族であり、私たちの役割なのだ、と。

施設は「集団生活の場」ではありません。これまで自由に暮らしてこられた方の、かけがえのない「暮らしの場」です。お一人おひとりが、その方らしく過ごせること。利用者の「あたりまえの暮らし」を護ること。それが、私たちのすべての仕事の出発点だと、改めて感じた時間でした。次回は、その尊厳を護る具体的な一歩――「言葉づかいとマナー」についてお伝えします。

2026年6月30日火曜日

第1回|外部講師をお招きして、法人内研修を行いました ―「支える介護」を学ぶ

 


先日、網走福祉協会では、全職員を対象とした法人内研修を開催しました。今回は、介護の現場で長く実践と指導にあたってこられた菊地雅洋先生(北海道介護福祉道場 あかい花 代表)をお招きし、「してあげる介護から、支える介護へ」をテーマにお話しいただきました。

「してあげる」という言葉には、どこか上から手を差し伸べるような響きがあります。けれど私たちがめざしたいのは、利用者お一人おひとりが、その方らしく暮らし続けることを「支える」介護です。先生のお話は、その違いをあらためて見つめ直すきっかけになりました。

なかでも心に残ったのは、「対人援助とは、誰かの人生の一部に深く関わること」という言葉です。とりわけ高齢者介護は、人生の最も大切な最終章に寄り添う仕事です。先生は、ご自身が経験されたお話を紹介してくださいました。いつも通り元気にデイサービスで過ごして帰られた方が、その夜に体調を崩し、そのまま帰らぬ人となってしまったことがあったそうです。もし最後の日に、ちょっとした行き違いで嫌な気持ちのまま帰っていただいていたら――それはもう、取り戻すことができません。だからこそ、一日一日を大切にし、その日のうちに笑顔で帰っていただこう。先生のその姿勢に、私たちも背筋が伸びる思いでした。

私たちの関わり方ひとつで、その方の毎日の幸せは大きく変わっていきます。「長生きして良かった」と思っていただける関わりをしたい。それは決して特別なことではなく、日々の小さな心がけの積み重ねなのだと教えていただきました。

研修では、利用者の尊厳を護ること、言葉づかいやマナーの大切さ、看取りの場面でのご家族との関わり、そしてこれからの時代に必要な知識や働き方まで、実務にすぐ活かせる学びをたくさんいただきました。どれも「明日からの現場でどうするか」を考えさせられる、具体的で厳しくも温かいお話ばかりでした。

この学びを職員のなかだけにとどめず、地域の皆さまにもお伝えしたく、これから数回に分けて、研修で得た気づきをこのブログでご紹介していきます。私たちがどんなことを大切に考え、どんな介護をめざしているのか。少しでも感じていただけたらうれしく思います。

網走福祉協会は、これからも学び続ける法人でありたいと願っています。次回は、研修の出発点となった「人権と尊厳」についてお伝えします。どうぞお付き合いください。

2025年12月14日日曜日

2025年10月5日日曜日

本ホームページにGoogleストリートビューを掲載しました

 特別養護老人ホーム なないろ館について、Googleストリートビューを掲載しました。

次のURLから館内を見ることができます。どうぞご覧ください。

特別養護老人ホーム なないろ館 | 社会福祉法人 網走福祉協会

2025年7月3日木曜日

ボランティア活動について

 令和7年6月27日、日本体育大学附属高等支援学校より、授業の一環として、なないろ館にボランティア活動に来てくださいました。
 施設1階外側の窓掃除をしてくださり、窓に外の景色が映るほど、非常に綺麗になりました。
 日本体育大学附属高等支援学校の皆さん、ありがとうございました!