先日、網走福祉協会では、全職員を対象とした法人内研修を開催しました。今回は、介護の現場で長く実践と指導にあたってこられた菊地雅洋先生(北海道介護福祉道場 あかい花 代表)をお招きし、「してあげる介護から、支える介護へ」をテーマにお話しいただきました。
「してあげる」という言葉には、どこか上から手を差し伸べるような響きがあります。けれど私たちがめざしたいのは、利用者お一人おひとりが、その方らしく暮らし続けることを「支える」介護です。先生のお話は、その違いをあらためて見つめ直すきっかけになりました。
なかでも心に残ったのは、「対人援助とは、誰かの人生の一部に深く関わること」という言葉です。とりわけ高齢者介護は、人生の最も大切な最終章に寄り添う仕事です。先生は、ご自身が経験されたお話を紹介してくださいました。いつも通り元気にデイサービスで過ごして帰られた方が、その夜に体調を崩し、そのまま帰らぬ人となってしまったことがあったそうです。もし最後の日に、ちょっとした行き違いで嫌な気持ちのまま帰っていただいていたら――それはもう、取り戻すことができません。だからこそ、一日一日を大切にし、その日のうちに笑顔で帰っていただこう。先生のその姿勢に、私たちも背筋が伸びる思いでした。
私たちの関わり方ひとつで、その方の毎日の幸せは大きく変わっていきます。「長生きして良かった」と思っていただける関わりをしたい。それは決して特別なことではなく、日々の小さな心がけの積み重ねなのだと教えていただきました。
研修では、利用者の尊厳を護ること、言葉づかいやマナーの大切さ、看取りの場面でのご家族との関わり、そしてこれからの時代に必要な知識や働き方まで、実務にすぐ活かせる学びをたくさんいただきました。どれも「明日からの現場でどうするか」を考えさせられる、具体的で厳しくも温かいお話ばかりでした。
この学びを職員のなかだけにとどめず、地域の皆さまにもお伝えしたく、これから数回に分けて、研修で得た気づきをこのブログでご紹介していきます。私たちがどんなことを大切に考え、どんな介護をめざしているのか。少しでも感じていただけたらうれしく思います。
網走福祉協会は、これからも学び続ける法人でありたいと願っています。次回は、研修の出発点となった「人権と尊厳」についてお伝えします。どうぞお付き合いください。
